アメリカの政府機関である食品医薬品局でも、「特定の食べ物の摂取とにきびとには直接の関係はない。科学的にも説明がつかない」と発表しているくらいですし、ペンシルバニア大学の研究結果でも「チョコレートとにきびの悪化とは無関係である」ことが証明されています。
それでも日常生活で「チョコレートを食べた後に、にきびができたことがある」という人は、私も含めて多いはずです。
このようにチョコレートがにきびの原因になったのは、第一ににきびができやすいときに、チョコレートが食べたくなる傾向が挙げられます。
女性の生理前、仕事や勉強でストレスが溜まっているときなどは、体がチョコレートなどの甘い物を欲することが多いのです。
こういった状況はチョコレートの成分そのものよりも、精神状態やホルモンのバランスを崩してしまっていることが、にきびを作りやすくしていると言えます。
イライラしているときにチョコレートを食べたくなるのも、チョコレートに含まれる甘味やテオブロミンが精神を安定させる効果があるからです。
さらに人間以外の動物にチョコレートを与えた場合について、間違った解釈をしてしまったことも原因の1つです。
犬が大量にチョコレートを食べてしまうと、嘔吐、けいれん、血尿を引き起こすことがあります。最悪の場合、死に至ります。
これはチョコレート中に含まれるテオブロミンが原因です。人間には害はないのですが、犬の体重1kgあたりの致死量は、市販のチョコレート30g前後だと言われています。
しかし、チョコレートは体に悪いわけではなく、豊富な抗酸化ポリフェノールが含まれ、動脈硬化を予防し、コレステロール値を下げる効果が期待できます。
太りやすいと思われがちですが、ラットにチョコレートを与える実験では、皮脂中の脂肪酸に大きな変化はみられませんでした。
チョコレートは確かに脂肪分が多いので、それが皮脂分泌を促すともされており、他の食べ物よりもにきびができやすいかもしれません。
ただ、チョコレートに限らず、どの食べ物も過剰摂取は危険なので、チョコレートだけが悪いものとはなりません。チョコレートも適量であれば、にきびについてそれほど心配しなくても良いでしょう。